ミキサーの基礎知識
EMX5016CF 取扱説明書
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基礎編
より良いミックスにするノウハウ
ミックスのアプローチ―どこからスタートする ?―
ミックスは、適当にコントロールを回して音が出れば完成と考える人もいるでしょうが、もっと使用している機器などに
合ったシステマチックなアプローチが、手早くより良いサウンドを作る近道です。もちろんミックスにルールはありませ
んが、偶然できたミック スよりもある 決まった手 順でミックス することが成 功の鍵です 。ここでは 、はじめ にいくつかの
アイディアを紹介します。
コントロールをすべて下げる
とても簡単に聞こえるかもしれませんが、最 初にすべて のチャンネル の LEVEL コントロールを下げてお きましょう 。標
準値 (ノミナル ) の設定から始めることもできますが、ミックスのアプローチがわからなくなってしまいます。LEVEL
コントロールを下げた状態から、1 つずつコントロールを上げていきましょう。
では、どのチャンネルから始めればいいのでしょうか ? 2 つの例を基に紹 介します。
例1 : ピアノトリオがバックのバラードソング
ミックスの中でボーカルが曲の中心となる場合は、ボーカルを基準として ミッ
クスしてみましょう。
まずボーカルのチャンネルを標準値 ( ノミ ナル ) まで上げたあと、他の楽 器を
ミックスに加えていきます。ボーカル の次にどの楽 器を加えて いくかは、演奏
している楽器のタイプや曲の方向性しだいです。
たとえば、ピアノトリオが バックのバ ラードソング の場合は、ピアノをボ ーカ
ルの次にミックスに加えてみましょう。ボーカルとピアノのバ ランスを調 整し
たあと、全体のバランスを支えるベースやドラムなどを加えていきます。
例2: ファンキーな R&B
ノリを重視したファンキーな R&B ナンバーをミックスする場合は、アプロー
チが違ってきます。この場合エンジニアの多く は、ドラ ムを基 準と して次 に
ベースを加えていきます。ドラムとベースのバランスは、「ドライブ感」や そ
の曲のノリを出すのにとても重要です。特に、ど のようにミッ クスすると バス
ドラムとベースが効いてくるか注意深く聴いてみてください。
バスドラムがパンチを与えて、ベースがピッチを 与えているひ とつの楽器 のよ
うに聞こえれば OK です。
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